●さあ、トレーニングを始めてみよう —肥満からスリムへ②
最初は胸の筋肉がついていなかったり使うことにも慣れていないので、本来補助的な部分となる上腕三頭筋(力こぶの反対側の筋肉)の方が疲れる傾向になることが多いです。
これは正しい状況ですから心配はいりません、少しずつ上腕三頭筋も鍛えられて慣れてくるとともに胸の筋肉も刺激を覚えていくことでしっかり効くようになってきます。
もう一つ、腕を曲げて胸を床に向けて下ろす時と上げる時のアドバイスですが、肘が肩の位置と並んで下ろすというよりは肘が胸の乳首と並ぶくらいの位置で上げ下げしてください、そうしないと肩と腕ばかりに力が逃げてしまいます、胸にしっかり効くように意識しましょう。
では回数についてです。最初は「ながら」でもいいので回数ではなくフォームをしっかり練習しましょう。そうして次はと言いますと、トレーニングとしてチャレンジするのはやはりそれも決めた回数ではありません。筋力は人によって様々です、その人に合った負荷を道具を使って行うならまだしもですが、「自重」といって自分の体重がそのまま重りとしての負荷となる場合、その体重からなる負荷とあなたの筋力とがマッチしていない可能性があるからです。したがいましてみなさんにチャレンジしていただくトレーニンングは時間で区切ります。それも1時間かかるものだと最初から続かないですよね、ですからここでみなさんがチャレンジするのは「1分間」というものです。
ただし1分間の間はあなたのできるだけの回数を続けて行います、いざやってみるとヒーヒーとなるかもしれませんが、でもたったの1分間だけです。行い方は、まずはしっかり胸を床すれすれまでしっかり落として行いましょう、その回数を毎回数えておいてください、5回かもしれません、10回かもしれません。
そして、もうしっかり床まで下ろせないとなりましたらそこからはズルをしましょう、床まで降ろさなくていいです、でも止まらずに少しでも肘を曲げて続けます。休憩してもいいです、ただし膝をついたり座ったりしないでください、1分間が終わるまでは腕立てもしくは膝立の状態はキープです。
最初はしっかりできた回数はしばらくは変わらないです、もしかして調子の悪い時は前より少ない時もあると思います。ただその回数をゲーム感覚で前よりあと1回多くできないかをチャレンジしながら続けてみましょう。
1日に1分間だけですからできれば毎日、きつければ2日に1回でもいいです。
そして続けていくと、前より1回多くできた、でも次の日はまた元に戻った、などを繰り返すといつの間にか1回多くが普通になります、そうすると次はそこからさらにもう1回を目標にしましょう。1分間のゲームです、急に痩せたり筋肉がモリモリになるのは難しいものですから、成果がなかなか出ないと面白くないですよね、でもこのトレーニングでは実際に回数が増えた時の喜びを感じれることで成果を実感しやすいものですので、回数が増えるのを楽しみに是非行ってみてください。
ここまでで下半身と上半身の運動についてお話をしてきました。ながらの下半身と1分間の上半身、どうですか?少しずつ始めてみませんか?回数が増えてくると成果を実感できますし、毎日少しずつでも運動を続けているぞ、というココロの満足感もぜひ味わってください。
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そしてここではもう一つ、気になるお腹まわりの運動をご紹介しましょう。
いわゆる腹筋のトレーニングです、お腹まわりはなかなか脂肪が落ちないですよね、皮下脂肪もあれば内臓脂肪の影響も受けますので。いろんな種類の腹筋トレ
ーニングがありますが、これも最初からハードなものや時間がかかるもの、フォームが難しいものはなかなか継続するのは難しいです。
ですからここではまずは毎日できる簡単エクササイズをご紹介します。
紹介もされていますが正式名称がわからないので勝手に「アブシェイク」と呼んでいます。
これも1分間のトレーニングです、1分間でできる限り続けてみましょう。最初はあわてずしっかりお腹に効いているのを確認するように注意してください、効いていない方法で「何回できた」と喜んでも意味がないですからね。
これはまず、肩幅ほどに足を開いてつま先はほぼまっすぐで立ちます。両手を左右肩の高さまで上げて広げてください、そして肩を動かさず膝も極力動かないように気をつけて腰だけを左右に振ります、ひねって腰を前後に回さないように。お尻を振ってしまうと腹筋に効かないので、“おへそ”を左右に動かすイメージです。うまくできると数回左右に動かしただけでお腹の中の方が効いてくるのがわかると思います。
この運動は左右にふっているので腹筋の外側の筋肉を使っているのですが、体の軸を動かしていることでもあるのでお腹の中心も含む全体に効かすことができます。まずはこれを是非1分間試してみてください。これも回数を数えておいて、正確に効いているフォームで速さが増せば回数が増えていくことになります。
この動きは腕立て伏せなどより動きは小さく1回毎の負荷は少ないので1分間での目安は最初から60回くらいは十分できますよ。それでもこの運動では数はあくまでもほんのゲーム感覚で楽しむ程度で考えて実際はしっかりお腹に効いているかにフォーカスして行ってください、この運動は簡単な動きですがフォームがずれているとしっかり腹筋に効かないからです。
慣れてくれば回数を増やしていきましょう、腕立て伏せより回数は多くできます、まずは1分間で80〜100回くらいを目指してみましょう。
そして、これは腕立て伏せとは違い、立っていればできるのでどこでもしやすい運動です。両手が広げられなくても例えば歯みがき中や外出中でもできますからスキをみてはクネクネしてみましょう、人前ですると変な人と思われるのでご注意を。
しっかり効くとお腹の奥の方がジワ〜っと熱くなって終わった後も余韻が残る感じになるので結構「お腹運動やってるぞ感」を感じることができます。
さぁ、文章だけの説明なので長々となってしまいましたが、これでも1日の中でこれらの運動に費やす時間はほんのわずかです、それでも今まで特に何もしていなかったのが下半身・上半身・お腹まわり、とざっくり全身を動かしたことになりますね。
これらをするとみるみる痩せてスリムに、とまではいきませんが、これらを続けること、わずかだからということで続けられることであなたのカラダには確実に今までと違う刺激を与えることになりますから少しずつ変化が現れてくることになります、1ヶ月続けてどうなるか試してみましょう、そして2ヶ月、と。カラダを少しずつでも動かすことに抵抗がなくなってきて、カラダを使っている感覚を普段の生活の中で感じることができるようになると、きっと体重うんぬんの前にカラダが気持ちいいことと同時にココロにも負担がかかっていないことに気づいてなんとなく毎日が楽しくなってくると思います。
さらにそうなると、自然と食事にも少し気をつけたり、少しコントロールしてみることにも抵抗を感じなくなると思います。
そこから先は無理のない程度にいろんなトレーニングにチャレンジしていってみましょう、なんとなく自分でも続けられそうかどうかもわかってくると思います。
そして自分のちょっとずつの目標&達成の積み重ねで是非理想の体型に向かって進んでいってみましょう。