●摂取と消費のバランス
今やダイエットやトレーニングにおいては、細かい栄養学や高度な運動方法、また理論などたくさんの情報を得ることができます。
ただ、いきなり難しい栄養学や細かいトレーニングテクニックを一気に習得するのも難しいですし、また人によってはそこまで追い込んでアスリートになりたいというよりも、一般的には楽しく自分の理想に近づいてみたい、という方が多いのではないかなと思います。
そこで、難しいことは置いておいてまずシンプルにすべての大前提として覚えておいて欲しいことがあります。
それは摂取と消費のバランスです。
みなさんのコンディションは様々で、またそこからのいろんな要因や組み合わせなどでいろんなアプローチ方法があり、その辺りはこれ以降で色々お話ししていきますが、それでも基本はこのバランスが全てと思っていただければと思います。
飲食で摂取するカロリーと体を動かすことによるカロリー消費のバランスです。
そうです、単純に、たくさんカロリーを摂取して体の運動が少ないとカロリーは処理しきれずに溜まってしまいますし、その逆だとカロリーが枯渇してしまうということです。カロリーとは簡単に言うとエネルギーの元ということです。
このカロリーは必要以上に溜まると、ヒトの本能として、これを脂肪に変換して体に蓄えようとします、そしてエネルギーが必要となるとこの脂肪を分解してエネルギーを作り出して消費するということとなります。
脂肪というとあぶら(脂)というイメージで脂質のことかな?とイメージされると思います、その通り脂質のもの「あぶらもの」は確かにそうですが、もう一つは炭水化物も脂肪の元となるのです。
炭水化物はエネルギーとして必要な際にはそのままエネルギーとして消費されますが、必要以上に摂取をすると、その場で使いきれない場合にこれを今後何かの時に使えるようにと脂肪に変換されてしまうからです。
要はこれら2つの成分は、ヒトの本能として、摂取が滞ったときのためにエネルギーの元として脂肪を体に蓄えて非常時に備えるという働きが作用するということです。生きていくために本来必要な活動な訳です。
しかし大昔のように今日狩で獲物が取れるか明日はゴハンが食べられるかをせめぎ合う時代ではないので、ズルズルと気を緩ませているとちょっとした蓄え以上の脂肪が付いてしまうということなのです。
そしてこの脂肪は、体に蓄えるにあたりもう一つヒトの本能として生理的に働く法則があります。
それは、体を守るために体の急所をカバーする部位から付いていくということです。つまり首回りを守るためにアゴの下、脇には動脈が皮膚に近いところに通っているのでいわゆる二の腕に付いて脇を守り、胸部は肋骨が守ってくれますが骨に守られていなくて直に衝撃が内臓に届いてしまうお腹回りを守るため、そして太ももの内側の根元にも動脈が通っていますのでそこも脂肪でカバー、ということなのです。
確かに生き抜くため、体を守るためという観点からするとなるほど人体ってすごいな、と思いませんか。
ただ適度はあってもこのご時世で飽食のままに任せて本能だからと言って過度の脂肪による体重増加は関節にも負荷がかかりまた成人病などのリスクがありよろしくないのは言うまでもありませんね。
では逆の場合はどうなると思います?今度は脂肪が落ちていく場合です。
感のいい方はお気づきかもしれません、そうです脂肪が落ちるときはその逆なのです。体を守るためにまずは急所と関係ないところにある脂肪から落ちて最後まで急所を守ろうとするということなのです・・。
摂取と消費の仕組みについて少し理解いただけましたか?
このバランスが人体の仕組みとして大前提となります、細かい栄養素の組み合わせが、とか、トレーニングのこの高度なテクニックが、というようなことは、後々もっと高みを目指す人にとってはまた必要な知識になると思いますが、まずはこういう生きとし生けるヒトとしての本能に伴う仕組みを知っておいていただければと思います。