●理想の体型に合わせた運動アプローチ(導入+肥満からの脱却)
みなさんそれぞれに自分の理想とする体型があると思います。もっと痩せたい、もっとガッチリしたい、または今の体重や体型で特に問題はないが全体的に引き締めたい、など。
ここでは変えていきたい体型に向けて運動でのアプローチについてお話をします。
—肥満からの脱却
後ほど体質のお話もしていきますが、ここにあてはまる人は、そこに至るまでの段階で先にお話ししました摂取と消費のバランスで長らく摂取が勝っているということになると思われます。運動を適度にしていたとしても、その分たくさん食べて飲んで摂取が多かったと思いますし、運動を普段しない人は大食いじゃないよといっても普段の消費が少ないので食べる内容によってはカロリーが高いものの過度な摂取が続いていた可能性が高いです。運動もしないし食べるのも大食いだ、という人はなおさら肥満の状態に陥る可能性は高く、多分ある程度の自覚はみなさんあると思います。
ただ、別に肥満になりたくてそうしているわけでないことはわかっています。
もしかしたら一念発起してジムに通ってみた人もいると思います。でもすぐに結果が出ないし、なんとなくジム内で周りと比べるとちょっと劣等感を感じたり・・。そして面白くなくて足が向かなくなって、時間も継続して作れなくて続かなくて終わってしまう。
でも肥満状態はできることなら脱却したいと思っているのですよね?
まず、これで別に問題ないよ、という人に無理やりオススメするものではありません、ただし会社などの健康診断で過度な肥満で注意ですよ、とか血液のコレステロール値など気をつけましょう、と言われた方は脱却を目指しても良いかなと思います。
何から始めればいいか?何をしたらすぐ結果が出るか?食事制限して激しい運動しないといけないのかな・・・。
肥満からの脱却を目指す場合は、まずいきなり多くを求めてはいけません。今の状態も決して昨日今日でなってしまったものではなく、長らくの生活習慣の積み重ねで今に至っているのですから。
そうすると、やはりこの状況も今日明日で大きな変化を求めることはできません。
また、頑張って急な食事制限やハードなトレーニングを始めても、結局「我慢」以外の何物でもないので長くは続きません。頑張って1ヶ月で成果が出たとしても、その後もうまく継続するコントロールができなければ、また元に戻るだけです。
大事なことは、何か少しずつでも続けること、「続けられること」を考えましょう。
食事だけで、や、運動だけで、となるとそれなりに負荷が上がります、是非食事と運動の両方で考えてみましょう。2つを合わせればそれぞれで少しずつの組み合わせでも、効果を高めることができます。
うまく生活の流れの一部にしてしまいましょう。
そこでまず、運動は「ながら」から始めましょう。
運動するための時間を作るのではなく、何かしながらということです。
例えば、どうせソファに座ってテレビを見るなら、テレビの前で肩幅より広く足を開き、つま先はほんの少しだけ外に向け、相撲の四股を踏むようにゆっくりと腰を落とします。そうですワイドスクワットをしていることとなります。
腰を落とす時はゆっくり股関節のストレッチをする要領で落とせるまで沈みましょう。
膝がつま先よりできるだけ前に出ないように、でもそうすると後ろに転がりそうになるので、しっかりお尻をプリッと後ろに突き出してみましょう、そうすることで前後のバランスが取れます。
腰から背中は丸まらないように、ただし過度に背中を反らしてしまうと腰や背中を痛めますから、上半身は少々前傾になっても構いません。これで重心のバランスが取れてふらつきません。
ゆっくり続けられるだけやってみましょう。
あまりに疲れたら、一度座って休憩して結構です。ただし、少し回復したなと思ったら、ふとまた思い出してください、「どうせテレビを見てるだけなら」と。そしてまたゆっくりとワイドスクワットを再開しましょう。
また、もし以前買ってみて使わなくなって飾りになっている健康器具があれば、それもテレビ見ながらちょっとしてみましょう。
先ほどのワイドスクワットとの合間でもいいです、腹筋器具など結構「ながら」でできるものは多いと思います。
最初は回数や時間も決めなくていいです。
本当に何かしながらのついでで、「ふー、今日も少しやったぞ」というレベルでいいです。
テレビを見ながら、台所で煮炊きしていて鍋のそばを離れられなくスマホをいじっている時、電子レンジ待ちの間などなど。
みなさんならもっと「こんな時もあるな」と思いつくことがあるかもです。
太ももなどの大きな筋肉を刺激し少しずつ鍛えることは、よくみなさんも聞いたことがあると思いますが基礎代謝が上がります。
基礎代謝というのは簡単に言いますと、運動していなくてじっとしている間でも代謝(カロリー消費)している数値です。内臓を動かしたり、体を支えたり脳の働きを維持するためにじっとしていてもカロリーは消費(代謝)しているからです。
筋肉がつくとそれを維持するためにカロリーが必要になるので代謝が上がるということです。筋肉はそうそうモリモリつくものではないですが、よく使うことによって今ある筋肉が活発になるだけで、脳は「最近よく使うなー、それなら運動に耐えれるように強くさせておこう」と指令を出して、まずは同じ筋肉量でも筋肉の質が上がって力が強くなります。
質が上がるところから、もうそれを維持するために基礎の代謝が上がってくるということです。
運動は、目に見えて"筋肉がついた"や"脂肪が落ちた"などとなる前から脳と連動する運動の神経系と非常に密接な関わりがあるのです。目に見えてくる前の段階から体の中では今までなかった運動の刺激に対して対応していこうとしてすでに活動が始まっていくということです。
そうすると、まずは小さな筋肉よりも大きな筋肉を刺激していくことがより体への影響力があり効率を上げていく秘訣となるわけです。
そうやって「ながら」で毎日少しずつ何かを続けてみましょう。
みなさんも経験あるかと思いますが、運動って習慣になっていないと「いざやり始めるまで」がなんとなく億劫なんですよね、ただ運動を始めるとこまで行き着くと、終わってみればそれなりに気持ちよかったりで、なんとなく達成感、「今日はやってやったぞ」感がありますよね。
その、運動を始めるきっかけを、気合を入れて運動のための時間を作るとかでなく、「ながら」の中で時間も決めずついででやってみましょう。そうすると流れの中で気がつくと運動もしてしまっていて、結果「今日もやっちゃったぞ!」の達成感が毎日あなたを包み込んでくれますよ。
後もう一つ「ながら」以外の考え方としては、毎日できそうなことをまずは1ヶ月続けてみる、という方法です。
大事なのは何度も言いますが「続けること」「続けられることをしよう」ということです。
例えば、夜はお風呂に入ってから夕食を食べるという人は、毎日疲れついでに5分だけ運動してそのままお風呂に入る。朝にお風呂に入るという人は、そのお風呂前に済ませるとか。
ちょっとした注意は、満腹での運動は効率的ではないので食後すぐの運動は避けましょう。
筋肉を使うと、その筋肉にエネルギーを送るために血液が集まります。ですが食後すぐは胃が消化活動するために胃に血液が集まってきているため、他の筋肉運動をしても血液が集まりにくい状態になってしまっています。そして何よりも満腹だと体を動かそうにも単純に苦しいですよね、どうみても効率的ではありません。
そして、これはどんな状況でもそうですが、お酒を飲んだ後は当然運動してはいけません。運動すると血行が良くなるので血中アルコールがさらによく体中を巡り酔いが増してしまいます。血圧も上がってきますのでその上での運動は危険です。